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相続手続きで使用する戸籍謄本に有効期限はあるのか?

2024年05月09日
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相続手続きで使用する戸籍謄本に有効期限はあるのか?

令和3年度(2021年度)の岩手県盛岡市の出生者数は2597名、死亡者数は3944名でした。

相続手続きのなかには、戸籍謄本(または除籍謄本・改製原戸籍謄本。以下「戸籍謄本類」と総称します)が必要となるものがあります。戸籍謄本類自体に有効期限はありませんが、手続きによっては取得時期が指定されている場合があることに注意が必要です。

本コラムでは、相続手続きにおいて用いる戸籍謄本類の有効期限などについて、ベリーベスト法律事務所 盛岡オフィスの弁護士が解説します。

1、相続手続きにおいて戸籍謄本類が必要になるタイミング

相続手続きにおいては、以下のように、戸籍謄本類を提出が必要になるタイミングが存在します。

  1. (1)相続人の調査

    被相続人の遺産を分割するにあたっては、相続人全員を確定しなければなりません。

    相続人は、被相続人との続柄によって決まります。
    そして、被相続人との続柄は、戸籍謄本類をたどることで確認できます。
    したがって、相続人を調査する際には、戸籍謄本類を取り寄せる必要があるのです。

  2. (2)遺言書の検認

    公正証書遺言および法務局で保管されている自筆証書遺言を除き、遺言書の保管者または発見者は、相続の開始を知った後遅滞なく、家庭裁判所に遺言書の検認を請求しなければなりません。

    遺言書の検認申立てを受理した家庭裁判所は、相続人に対して検認期日を通知します。
    その際、通知すべき相続人を確定する必要があるため、戸籍謄本類の提出が求められます。

  3. (3)遺産分割調停・審判

    遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判を通じて遺産の分け方を決定します。

    遺産分割は相続人全員で行う必要があるため、遺産分割調停の申立てを受けた家庭裁判所は「相続人が誰であるか」ということを確定しなければなりません。
    したがって、遺産分割調停を申し立てる際には、申立書に戸籍謄本類を添付する必要があるのです。

  4. (4)預貯金・有価証券の相続手続き

    被相続人の預貯金については銀行や信用金庫など、有価証券については証券会社の相続手続きによって、相続人への払い出しが行われます。

    預貯金や有価証券の分け方を決定する方法は、遺言書・遺産分割・法定相続分の三種類です。
    遺言書に従う場合は、被相続人が死亡した事実を確認するため、被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本類の提出が必要になります。
    遺産分割または法定相続分による場合は、相続人全員を確定できる戸籍謄本類の提出が必要となります。

  5. (5)不動産の相続登記

    相続または遺贈によって不動産を取得した場合は、法務局において相続登記(所有権移転登記)の手続きを行う必要があります。

    預貯金や有価証券と同様に、不動産の分け方を決定する方法も、遺言書・遺産分割・法定相続分の三種類となります。
    遺言書に従う場合は、被相続人が死亡した事実を確認するため、被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本類の提出が必要になります。
    また、遺産分割または法定相続分による場合は、相続人全員を確定できる戸籍謄本類の提出が必要です。

  6. (6)相続放棄・限定承認

    亡くなった被相続人に借金があった場合などには、相続放棄または限定承認を行うことが有力な選択肢となります。

    • 相続放棄:遺産(資産と債務)を一切相続しない旨の意思表示
    • 限定承認:遺産のうち資産を相続する一方で、債務は資産額の限度でのみ相続する意思表示


    相続放棄または限定承認を行う際には、家庭裁判所に対して申述書と添付書類を提出しなければなりません。

    相続放棄は、各相続人が単独で行うことができます。
    その際には、申述者が相続人であることを確認できる戸籍謄本類の提出が必要です。
    これに対して、限定承認は、相続人全員で行わなければなりません。
    したがって、相続人全員を確定できる戸籍謄本類の提出が必要になります。

  7. (7)相続税の申告

    相続財産等の総額が基礎控除額を超えている場合、または配偶者の税額の軽減もしくは小規模宅地等の特例を利用する場合には、相続税の申告を行う必要があります。

    相続税の申告にあたっては、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本類のほか、相続人全員の現在の戸籍謄本の提出が必要となります。

2、戸籍謄本類に有効期限はあるのか?

戸籍謄本類自体に有効期限はありませんが、相続手続きによっては、戸籍謄本類の取得時期が指定されている場合がある点に注意しなければいけません

相続手続きの種類 戸籍謄本類の有効期限(取得すべき時期)
相続人の調査 なし
遺言書の検認 なし
遺産分割調停・審判 なし
預貯金・有価証券の相続手続き 提出日の前3か月以内または6か月以内(金融機関によって異なる)
不動産の相続登記 なし
相続放棄・限定承認 なし
相続税の申告 なし

※ただし、実務上、相続人等の現在の戸籍謄本類などは、発行後3か月以内のものの提出を求められる場合もあります。

全体的には、行政機関における相続手続きでは戸籍謄本類の取得時期が問われないのに対して、民間企業における相続手続きでは一定の期間に限定される傾向にあります。

3、不動産の相続登記手続きについて

戸籍謄本類の提出が必要となる相続手続きの代表例が、不動産の相続登記手続きです。
2024年(令和6年)4月以降は不動産の相続登記が義務化されるため、いまのうちから申請先や必要書類などについて確認しておきましょう。

  1. (1)不動産の相続登記の申請先

    不動産の相続登記は、その不動産の所在地を管轄する法務局または地方法務局に申請します。

    該当する法務局・地方法務局の窓口における申請のほか、郵送申請やオンライン申請も可能です。
    オンライン申請の方法については、法務局のウェブサイトをご参照ください。

    参照:「不動産の所有者が亡くなった(相続の登記をオンライン申請したい方)」(法務局)

  2. (2)不動産の相続登記手続きの必要書類

    不動産の相続登記手続きに必要となる書類は、以下のとおりです。

    1. ① 遺言書に従って相続登記をする場合:
    • 登記申請書
    • 遺言書
    • 検認証明書(公正証書遺言または法務局で保管されている自筆証書遺言の場合は不要)
    • 被相続人の本籍が記載された住民票と戸籍の附票
    • 被相続人の死亡が記載された戸籍謄本類(または法定相続情報一覧図)
    • 不動産を取得する者の戸籍謄本
    • 不動産を取得する者の住民票
    • 不動産の固定資産評価証明書
    • 委任状(代理申請の場合のみ)

    1. ② 遺産分割協議書に従って相続登記をする場合:
    • 登記申請書
    • 遺産分割協議書
    • 相続人全員の印鑑証明書
    • 被相続人の本籍が記載された住民票と戸籍の附票
    • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本類(または法定相続情報一覧図)
    • 相続人全員の戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)
    • 不動産を取得する者の住民票
    • 不動産の固定資産評価証明書
    • 委任状(代理申請の場合のみ)

    1. ③ 法定相続分に従って相続登記をする場合:
    • 登記申請書
    • 被相続人の本籍が記載された住民票と戸籍の附票
    • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本類(または法定相続情報一覧図)
    • 相続人全員の戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)
    • 相続人全員の住民票
    • 不動産の固定資産評価証明書
    • 委任状(代理申請の場合のみ)
  3. (3)2024年4月施行|3年以内の相続登記が義務化される

    2024年4月1日より、不動産の相続登記を義務化する改正不動産登記法が施行される予定です。

    2024年4月1日以降に相続・遺贈によって不動産の所有権を取得した場合は、相続の発生および所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
    また、2024年3月31日以前に相続・遺贈によって不動産の所有権を取得した場合は、2027年4月1日までに相続登記を申請する必要があります。

    なお、改正不動産登記法では、相続人が簡易的に申請できる「相続人申告登記」が新設されます。
    相続人申告登記を行えば、相続登記の義務を果たしたことになります。
    相続登記の義務を怠った場合は、「10万円以下の過料」を課されるおそれがあることに注意が必要です(改正不動産登記法第164条)。
    また、相続登記をしなければ不動産の所有権を第三者に対抗できなくなるため、相続登記の手続きは早めに行うようにしましょう。

4、相続手続き・相続トラブルの相談は弁護士へ

遺産相続が発生したら、手続きを適正に進めて相続トラブルのリスクを防ぐために、弁護士に相談することをおすすめします

弁護士は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄など、相続に関する手続きを幅広くサポートいたします。
相続人同士でもめてしまった場合には、協議・調停・審判などの手続きを通じて早期に問題を解決するために、弁護士が尽力いたします。

5、まとめ

相続手続きにおいて提出が求められる戸籍謄本類には、とくに有効期限が定められていないものもあります(ただし、実務上、相続人等の現在の戸籍謄本類については、発行後3か月以内のものの提出を求められる場合もあります。)。
他方で、金融機関における相続手続きなどにおいては、戸籍謄本の取得時期が一定の範囲に制限されることが多い点に注意が必要となります。

ベリーベスト法律事務所では、遺産相続に関するご相談を承っております。
相続手続きについて分からないことがある方や、相続トラブルにお悩みの方は、まずはベリーベスト法律事務所にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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